• 418

    2008-04-19

    けいたい)の画面(がめん)を見(み)て、高校(こうこう)3年(ねん)の麻未(あさみ)さんは心(こころ)で手(て)を合(あ)わせたに違(ちが)いない。〈受験(じゅけん)費用(ひよう)心配(しんぱい)しなくて良(よ)いからと父(ちち)のメールに涙(なみだ)こらえる〉。1月(いちがつ)の小(しょう)欄(らん)でご紹介(しょうかい)した現代(げんだい)学生(がくせい)百人一首(ひゃくにんいっしゅ)(東洋大学(とうようだいがく)主催(しゅさい))の入選(にゅうせん)作(さく)である▼縮(ちぢ)む家計(かけい)...
  • 413

    2008-04-13

    キツネにくらべると、タヌキはどこかとぼけている。ともに「化(ば)ける」ようだが、キツネの七変化(しちへんげ)に対(たい)し、タヌキはもっぱら縞柄(しまがら)(しまがら)の着物(きもの)である。ときおり化(ば)けそこなって、しっぽを出(だ)しているそうだ▼そのタヌキが、せんだって、東京(とうきょう)西(にし)郊()の狭(せま)いわが庭(にわ)にデンと座(すわ)っていた。目(め)が合(あ)っても逃(に)げず、悠々(ゆうゆう)たる風体(ふうてい)だ。そういえば漢字(かんじ)の狸(たぬき)(たぬき)は、「け...
  •  「私(わたし)は勝(か)つ。勝利(しょうり)する」と歌(うた)い上(あ)げるくだりは、突(つ)き抜(ぬ)けるような驚異(きょうい)的(てき)な往年(おうねん)の声(こえ)の張(は)りを思(おも)わせるものがあった――。06年(ねん)2月(にがつ)10日(にち)、トリノ冬季(とうき)五輪(ごりん)の開会(かいかい)式(しき)。ルチアーノ・パバロッティの熱唱(ねっしょう)を伝(つた)える小(しょう)欄(らん)である。ただし〈テレビで見(み)る限(かぎ)り〉として▼寒空(さむぞら)の下(した)に流(なが...
  • 04-09

    2008-04-09

     光(ひかり)と熱(ねつ)の母(はは)として、原始(げんし)の野(の)で大勢(たいせい)が囲(かこ)んだ名残(なごり)だろうか。炎(ほのお)には、群衆(ぐんしゅう)の視線(しせん)を束(たば)ねて一(ひと)つところに向(む)ける力(ちから)が宿(やど)るようだ。五輪(ごりん)を宣伝(せんでん)しようとする者(もの)は火(ひ)を世界(せかい)に走(はし)らせ、異議(いぎ)を唱(とな)える者(もの)もまた、その行(ゆ)く手(て)に集(あつ)まる▼北京(ぺきん)五輪(ごりん)の聖火(せいか)リレーが散々(...
  • 時代と切り離(はな)せない音や像がある。その端(はじ)っこに、若くて熱かった自分がいる。落ち込んだ日など、私たちは時の引き出しから熱い記憶を取り出し、少しだけ元気になる▼70年代に青春が重(かさ)なる方なら、耳目(じもく)にキャンディーズを呼び出せるかもしれない。私事(しじ)になるが、上京(かみぎょう)の春は「年下の男の子」、下宿(げしゅく)を移った2年後(ご)には「やさしい悪魔(あくま)」。どちらの旋律(せんりつ)も、引っ越しのホコリの中で流(なが)れていた。彼女たちの解散(かいさん)から、きょう...
  • 04-08

    1999-11-30

    1年(ねん)で50キロ減量(げんりょう)した評論(ひょうろん)家(か)の岡田(おかだ)斗(と)司(つかさ)夫(おっと)さんは『いつまでもデブと思(おも)うなよ』(新潮(しんちょう)新書(しんしょ))で、太(ふと)ければ太(ふと)っている分(ぶん)だけ損(そん)をすると言(い)い切(き)る。見(み)た目(め)で不当(ふとう)に評価(ひょうか)されたくなければ、やせる努力(どりょく)をという旨(むね)だ。周(まわ)りの視線(しせん)を力(ちから)に転(てん)じ、己(おのれ)を変(か)えよと▼今月(こんげ...